民事再生法平成十一年法律第二百二十五号
第31条(担保権の実行手続の中止命令)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債権者の一般の利益に適合し、かつ、第五十三条第一項に規定する再生債務者の財産につき存する担保権を有する者(以下この条において「担保権者」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、その担保権の実行手続の中止(債権を目的とする質権の実行の禁止を含む。)を命ずることができる。 ただし、その担保権によって担保される債権が共益債権又は一般優先債権であるときは、この限りでない。
2 前項の規定による中止の命令は、担保権者に不当な損害を及ぼさないために必要な条件を付して発することができる。
3 裁判所は、第一項の規定による中止の命令(債権を目的とする質権の実行手続の中止(実行の禁止を含む。次項及び次条第一項において同じ。)の命令を除く。)を発する場合には、担保権者の意見を聴かなければならない。
4 裁判所は、第一項の規定による債権を目的とする質権の実行手続の中止の命令を発した場合には、速やかに、質権者の意見を聴かなければならない。 ただし、あらかじめ質権者の意見を聴いたときは、この限りでない。
5 裁判所は、第一項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
6 第一項の規定による中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、担保権者に限り、即時抗告をすることができる。
7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
8 第六項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
9 債権を目的とする質権の実行を禁止する第一項の規定による中止の命令が発せられたときは、当該質権の被担保債権については、当該命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。