金融商品取引業等に関する内閣府令平成十九年内閣府令第五十二号
第143の2条(顧客区分管理信託の要件等)
前条第一項第一号に規定する金銭信託(以下「顧客区分管理信託」という。)に係る契約は、次に掲げる要件の全てを満たさなければならない。 一 金融商品取引業者等を委託者とし、信託会社又は信託業務を営む金融機関を受託者とし、かつ、当該金融商品取引業者等の行う通貨関連デリバティブ取引等(前条第三項に規定する通貨関連デリバティブ取引等をいう。以下この条において同じ。)又は暗号資産等関連デリバティブ取引等(前条第四項に規定する暗号資産等関連デリバティブ取引等をいう。以下この条において同じ。)に係る顧客を元本の受益者とするものであること。 二 受益者代理人を選任し、当該受益者代理人のうち少なくとも一の者は、弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人又は金融庁長官の指定する者(以下この項において「弁護士等」という。)をもって充てられるものであること。 三 複数の顧客区分管理信託を行う場合にあっては、当該複数の顧客区分管理信託について同一の受益者代理人を選任するものであること。 四 金融商品取引業者等が次に掲げる要件に該当することとなった場合には、弁護士等である受益者代理人のみがその権限を行使するものであること(当該受益者代理人が、他の受益者代理人が権限を行使することを認める場合を除く。)。 イ 法第五十二条第一項若しくは第四項、第五十三条第三項、第五十四条又は第五十七条の六第三項の規定により法第二十九条の登録を取り消されたとき。 ロ 法第五十二条の二第一項若しくは第三項又は第五十四条の規定により法第三十三条の二の登録を取り消されたとき。 ハ 破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てを行ったとき(外国法人である金融商品取引業者等にあっては、国内において破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始若しくは特別清算開始の申立てを行ったとき、又は本店の所在する国において当該国の法令に基づき同種類の申立てを行ったとき。)。 ニ 金融商品取引業等の廃止(外国法人である金融商品取引業者等にあっては、国内に設けた全ての営業所又は事務所における金融商品取引業等の廃止。ニにおいて同じ。)をしたとき、若しくは解散(外国法人である金融商品取引業者等にあっては、国内に設けた営業所又は事務所の清算の開始。ニにおいて同じ。)をしたとき、又は法第五十条の二第六項の規定による金融商品取引業等の廃止若しくは解散の公告をしたとき。 ホ 法第五十二条第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令(同項第八号に該当する場合に限る。)を受けたとき。 ヘ 内閣総理大臣が、裁判所に対し、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第三百七十七条第一項の規定による更生手続開始の申立て、同法第四百四十六条第一項の規定による再生手続開始の申立て又は同法第四百九十条第一項の規定による破産手続開始の申立てを行ったとき。 ト 内閣総理大臣が、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第三百七十九条、第四百四十八条又は第四百九十二条の規定による通知その他特別清算に関する通知を受けたとき。 五 当該顧客区分管理信託(信託業務を営む金融機関への金銭信託で元本補塡の契約のあるものを除く。)に係る信託財産の運用の方法が、第百四十一条の二第一項第五号イ(1)から(7)までに掲げる有価証券及び第六十五条第二号イからハまでに掲げる投資信託の受益証券(次号に規定する顧客区分管理必要額の三分の一に相当する範囲内に限る。)の保有並びに同項第五号ロからホまでに掲げる方法によるものであること。 六 信託財産の元本の評価額が顧客区分管理必要額(個別顧客区分管理金額(金融商品取引業者等が廃止その他の理由により金融商品取引業等を行わないこととなる場合に顧客に返還すべき通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等に係る法第四十三条の三第一項に規定する金銭その他の保証金の額を当該顧客ごとに算定した額をいう。第十四号及び次条第一項において同じ。)の合計額をいう。以下この項及び同条第一項において同じ。)に満たない場合には、満たないこととなった日の翌日から起算して二営業日以内に、金融商品取引業者等によりその不足額に相当する金銭が信託財産に追加されるものであること。 七 金融商品取引業者等が信託財産である有価証券の評価額をその時価により算定するものであること(当該顧客区分管理信託が信託業務を営む金融機関への金銭信託で元本補塡の契約のある場合を除く。)。 八 顧客区分管理信託が信託業務を営む金融機関への金銭信託で元本補塡の契約のある場合に、その信託財産の元本の評価額を当該金銭信託の元本額とするものであること。 九 次に掲げる場合以外の場合には、顧客区分管理信託に係る契約の全部又は一部の解約を行うことができないものであること。 イ 信託財産の元本の評価額が顧客区分管理必要額を超過する場合において、その超過額の範囲内で顧客区分管理信託に係る契約の全部又は一部の解約を行うとき。 ロ 他の顧客区分管理信託に係る信託財産として信託することを目的として顧客区分管理信託に係る契約の全部又は一部の解約を行う場合 十 前号イ又はロに掲げる場合に行う顧客区分管理信託に係る契約の全部又は一部の解約に係る信託財産を委託者に帰属させるものであること。 十一 金融商品取引業者等が第四号イからトまでのいずれかに該当することとなった場合には、弁護士等である受益者代理人が特に認める場合を除き、当該金融商品取引業者等が受託者に対して信託財産の運用の指図を行うことができないものであること。 十二 弁護士等である受益者代理人が必要と判断した場合には、顧客の受益権が当該受益者代理人により全ての顧客について一括して行使されるものであること。 十三 顧客の受益権が弁護士等である受益者代理人により一括して行使された場合には、当該受益権に係る信託契約を終了することができるものであること。 十四 顧客が受益権を行使する場合にそれぞれの顧客に支払われる金額が、当該受益権の行使の日における元本換価額に、当該日における顧客区分管理必要額に対する当該顧客に係る個別顧客区分管理金額の割合を乗じて得た額(当該額が当該個別顧客区分管理金額を超える場合には、当該個別顧客区分管理金額)とされていること。 十五 顧客が受益権を行使する日における元本換価額が顧客区分管理必要額を超過する場合には、当該超過額は委託者に帰属するものであること。
2 前項第六号の金銭その他の保証金の額には、同号の通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等を決済した場合に顧客に生ずることとなる利益の額を含むものとし、当該通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等を決済した場合に顧客に生ずることとなる損失の額を控除することができるものとする。
3 第一項第六号に規定する個別顧客区分管理金額の算定に当たっては、金融商品取引業者等が顧客との間において一括清算の約定をした基本契約書に基づき通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等を行っている場合において、当該算定の時において当該顧客に一括清算事由が生じた場合に当該基本契約書に基づいて行われている特定金融取引について当該一括清算事由が生じた時における評価額で当該顧客の評価損となるもの(当該通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等に係るものを除く。)があるときは、当該基本契約書に基づき通貨関連デリバティブ取引等又は暗号資産等関連デリバティブ取引等を決済した場合においても顧客の保護に支障を生ずることがないと認められる限りにおいて、当該評価損の額を控除することができる。
4 第一項第十四号及び第十五号の「元本換価額」とは、顧客区分管理信託に係る信託財産(元本部分に限る。)を換価して得られる額(顧客区分管理信託に元本補塡がある場合には、元本額)をいう。