鉱山保安法施行規則平成十六年経済産業省令第九十六号
第29条(放射線障害の防止)
法第五条第二項及び第八条の規定に基づき、核原料物質鉱山における放射線障害の防止について鉱業権者が講ずべき措置は、次に掲げるものとする。 一 管理区域を定め、次に掲げる措置を講ずること。 イ 境界に警標、さく囲その他の設備を設けることにより、放射線業務従事者以外の立入りを制限すること。 ロ 放射性物質を経口摂取するおそれがある場所における飲食及び喫煙を禁止すること。 ハ ロの旨を管理区域の見やすい箇所に掲示すること。 二 周辺監視区域を定め、次に掲げる措置を講ずること。 イ 人の居住を禁止すること。 ロ 境界に警標、さく囲その他の設備を設けることにより、周辺監視区域に業務上立ち入る者以外の者の立入りを制限すること。 ただし、当該区域に人が立ち入るおそれがないことが明らかな場合は、この限りでない。 三 放射線業務従事者及びそれ以外の鉱山労働者の線量については、それぞれ経済産業大臣が定める線量限度を超えないようにすること。 三の二 管理区域において放射線業務の一部を請負人に請け負わせるときは、前号の線量限度を超えないようにする必要がある旨を当該請負人に周知すること。 四 管理区域内の放射線業務従事者が呼吸する空気中の放射性物質の濃度については、経済産業大臣が定める濃度限度を超えないようにすること。 五 管理区域内の人が常時立ち入る場所における外部放射線に係る実効線量については、経済産業大臣が定める値以下となるように遮へい物の設置その他の措置を講ずること。 六 製錬場内の管理区域における人が触れるおそれがある放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度については、経済産業大臣が定める表面密度限度を超えないようにすること。 七 製錬場内の管理区域から退去する人及びこれから持ち出される放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度については、経済産業大臣が定める表面密度限度を超えないようにすること。 八 周辺監視区域の外側における空気及び水の中の放射性物質の濃度については、経済産業大臣が定める濃度限度を超えないようにすること。 九 坑内掘採を行う核原料物質鉱山においては、坑内の空気中の放射性物質濃度を低くするために必要な扇風機を設けること。 十 坑内掘採を行う核原料物質鉱山においては、放射線障害の防止のため必要があるときは、有効呼吸用保護具を着用させること。 十一 核原料物質鉱山の選鉱場又は製錬場において放射線障害の防止のため必要があるときは、有効呼吸用保護具を着用させ、かつ、粉じんの飛散を防止するため、集じん又は機械若しくは装置の密閉を行うこと。 十二 著しく粉じんが飛散する坑内作業場において、粉じんの飛散を防止するため散水又は給水を行うときは、経済産業大臣が定める放射性物質の濃度限度を超えない水を使用すること。 十三 管理区域に立ち入る者(放射線業務従事者を含む。)の線量を知るため、次の規定を遵守すること。 イ 経済産業大臣の定めるところにより、外部放射線に被ばくすること(以下「外部被ばく」という。)による線量の測定を行い、その結果について、四月一日、七月一日、十月一日及び一月一日を始期とする各三月間、四月一日を始期とする一年間並びに本人の申出等により妊娠の事実を知ることとなった女性にあっては、出産までの間毎月一日を始期とする一月間について、当該期間ごとに集計し、集計の都度、記録すること。 この場合において、管理区域に立ち入る者について、管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。 ただし、管理区域に一時的に立ち入る者であって放射線業務従事者でないものについては、その者の管理区域内における外部被ばくによる線量が経済産業大臣が定める線量を超えるおそれのないときは、この限りでない。 ロ 人体内部に摂取した放射性物質からの放射線に被ばくすること(以下「内部被ばく」という。)による線量の測定は、経済産業大臣の定めるところにより、放射性物質を誤って吸入摂取し、又は経口摂取したとき及び放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれがある場所に立ち入る者にあっては、三月を超えない期間ごとに一回(本人の申出等により妊娠の事実を知ることとなった女性にあっては、出産までの間一月を超えない期間ごとに一回)行い、その結果を記録すること。 ただし、放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある場所に一時的に立ち入る者であって放射線業務従事者でないものについては、その者の内部被ばくによる線量が経済産業大臣が定める線量を超えるおそれのないときは、この限りでない。 十三の二 管理区域における放射線業務、第二十七号の規定による措置に係る作業又は管理区域に一時的に立ち入る作業の一部を請負人に請け負わせるときは、前号の規定により線量を測定を行い、その結果を記録する必要がある旨を当該請負人に周知すること。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 イ 管理区域に一時的に立ち入る請負人であって放射線業務従事者でないものについては、当該請負人の管理区域における外部被ばくによる線量が前号イの経済産業大臣が定める線量を超えるおそれのないとき。 ロ 放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある場所に一時的に立ち入る請負人であって放射線業務従事者でないものについては、当該請負人の内部被ばくによる線量が前号ロの経済産業大臣が定める線量を超えるおそれのないとき。 十四 第十三号により測定された線量を基に、経済産業大臣の定めるところにより、実効線量及び等価線量を四月一日、七月一日、十月一日及び一月一日を始期とする各三月間、四月一日を始期とする一年間並びに本人の申出等により妊娠の事実を知ることとなった女性にあっては、出産までの間毎月一日を始期とする一月間について、当該期間ごとに算定し、算定の都度、記録すること。 十五 前号による実効線量及び等価線量(眼の水晶体の等価線量に限る。以下この号において同じ。)の算定の結果、四月一日を始期とする一年間についての実効線量又は等価線量が二十ミリシーベルトを超えた場合は、当該一年間以降は、当該一年間を含む経済産業大臣が定める五年間の累積実効線量又は累積等価線量を四月一日を始期とする一年間ごとに集計し、集計の都度、記録すること。 十六 管理区域内の外部放射線に係る線量当量率を毎週一回(当該線量当量率を常時監視する場合にあっては、毎月一回)以上(保安のため必要があるときは、その度ごとに)測定し、その結果を記録すること。 十六の二 管理区域内の放射線業務従事者が呼吸する空気中の放射性物質の濃度を毎週一回(管理区域に設置された電離放射線障害防止規則(昭和四十七年労働省令第四十一号)第二十二条第二項に規定する放射性物質取扱作業室以外の当該管理区域内の区域において空気中の放射性物質の濃度を常時監視する場合における当該区域内の空気中の放射性物質の濃度については、毎月一回)以上(保安のため必要があるときは、その度ごとに)測定し、その結果を記録すること。 十七 製錬場内の管理区域における人が触れるおそれがある放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度を毎週一回(当該密度を常時監視する場合にあっては、毎月一回)以上(保安のため必要があるときは、その度ごとに)測定し、その結果を記録すること。 十八 鉱山から排出される空気及び水の中の放射性物質の濃度を保安のため必要があるときに(製錬場から連続して排出される空気及び水については、排出される度ごとに(連続して排出されるときは、連続して))測定し、その結果を記録すること。 十九 第十六号、第十六号の二及び前号の規定によるほか、管理区域、周辺監視区域及びこれら以外の区域の適当な箇所において、線量当量率又は空気若しくは水の中の放射性物質の濃度を保安のため必要があるときに測定し、その結果を記録すること。 二十 第十六号の二及び前号の規定による空気中の放射性物質の濃度の測定(電離放射線障害防止規則第二十二条第二項の放射性物質取扱作業室に限る。)については、作業環境測定法第二条第五号又は第七号に規定する者(作業環境測定法施行規則別表第二号に掲げる作業の種類について登録を受けている者に限る。)又はこれと同等以上の能力を有する者に実施させること。 二十一 次表の上欄に掲げる事項について、それぞれ同表の中欄に掲げるところに従って記録し、それぞれ同表の下欄に掲げる期間これを保存すること。 記録事項 記録すべき場合 保存期間 イ 第十三号で測定又は集計された線量 第十三号で測定又は集計された時期ごと 第二十五号に定める期間 ロ 第十四号で算定された実効線量(第十五号で算定された累積実効線量を含む。)又は等価線量 第十四号(累積実効線量のときは第十五号)で算定又は集計された時期ごと 第二十五号に定める期間 ハ 管理区域内の外部放射線に係る線量当量率及び放射線業務従事者が呼吸する空気中の放射性物質の濃度 測定の都度 十年間 ニ 製錬場内の管理区域内における人が触れるおそれがある放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度 測定の都度 十年間 ホ 鉱山から排出される空気及び水(製錬場から排出される空気及び水を除く。)の中の放射性物質の濃度 測定の都度 十年間 ヘ 製錬場から排出される空気及び水の中の放射性物質の濃度(連続して排出される空気及び水については、一日間及び三月間の平均濃度) 排出の都度(連続して排出される場合は、一日間の平均濃度にあっては毎日、三月間の濃度にあっては三月ごとに一回) 十年間 ト 保安規程に定める箇所における外部放射線に係る線量当量率又は空気若しくは水の中の放射性物質の濃度 測定の都度 十年間 チ 放射線業務従事者の当該業務に就く以前の当該年度の放射線被ばくの経歴 その者が当該業務に就く時 第二十五号に定める期間 二十二 前号に規定する記録事項について直接測定することが困難な場合においては、当該事項を推定することができる記録をもってその事項の記録に代えることができる。 二十三 第二十一号の表ハ及びトの線量当量率の記録については、経済産業大臣の定めるところによること。 二十四 第二十一号の表イの線量を記録する場合には、放射線による被ばくのうち放射性物質によって汚染された空気を呼吸することによる被ばくに係る記録については、その被ばくの状況及び測定の方法を併せて記載すること。 二十五 第二十一号の表イ、ロ及びチの記録の保存期間は、その記録に係る鉱山労働者が放射線業務従事者でなくなった場合又はその記録を保存している期間が五年を超えた場合においては、核原料物質鉱山の鉱業権者がその記録を経済産業大臣が指定する機関に引き渡すまでの期間とする。 二十六 第二十一号の表イの規定による記録の写しについては、当該記録に係る放射線業務従事者に対し、記録した都度及びその者が当該業務を離れるときに交付すること。 二十七 核原料物質鉱山の製錬場においては、地震、火災その他の災害により放射線障害が発生し、又は発生するおそれがあるときは、放射線障害の防止のため適切な措置を講ずること。 二十八 前号の規定による措置に係る作業であってこれに従事する者が多量の放射線を被ばくするおそれがあるものについては、放射線業務従事者(女性にあっては、妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠の意思のない旨を書面で申し出た者に限る。)でなければ従事させないこと。 ただし、当該作業を行うため必要な人員が得られない場合その他やむを得ない場合において放射線業務従事者以外の鉱山労働者(女性にあっては、妊娠する可能性がないと診断された者及び妊娠の意思のない旨を書面で申し出た者に限る。)を従事させるときは、この限りでない。 二十九 前号の場合においては、第三号の規定にかかわらず、当該鉱山労働者の線量については、当該作業に関し、経済産業大臣が定める線量限度まで被ばくすることができる。 三十 第二十七号の規定による措置に係る作業であってこれに従事する者が多量の放射線を被ばくするおそれがあるものの一部を請負人に請け負わせるときは、当該作業に従事する男性及び妊娠する可能性がないと診断された女性については、第三号の規定にかかわらず、同号の線量限度を超えて被ばくすることができる旨を当該請負人に周知すること。 三十一 前号の場合においては、同号の作業に従事する男性及び妊娠する可能性がないと診断された女性が当該作業に従事する間に受ける線量は、第二十九号の線量限度を超えないようにする必要がある旨を前号の請負人に周知すること。
2 法第九条の規定に基づき、核原料物質鉱山における放射線障害の防止について鉱山労働者が守るべき事項は、次に掲げるものとする。 一 鉱業権者の指示がなければ、管理区域に立ち入らないこと。 二 前項第十号又は第十一号の規定により有効呼吸用保護具の着用を指示されたときは、有効呼吸用保護具を着用すること。