商品先物取引法施行規則平成十七年農林水産省・経済産業省令第三号
第98条
法第二百十条第一号の主務省令で定める措置(以下「委託者資産保全措置」という。)は、次に掲げるものとする。 一 信託会社又は信託業務を営む金融機関に信託する契約(以下この条、第九十八条の三及び第百三十九条において「信託契約」という。)を締結すること(次に掲げる要件を満たすものに限る。)。 イ 信託契約は、商品先物取引業者を委託者とし、信託会社又は信託業務を営む金融機関を受託者とし、かつ、当該商品先物取引業者に対し商品市場における取引等を委託した者(以下この号において「取引委託者」という。)を元本の受益者とすること。 ロ 信託契約において、当該商品先物取引業者の役職員のうちから指定された者(商品先物取引業者が委託者資産保全措置として信託契約を複数締結する場合には、これらの信託契約に係る受益者代理人を同一の者とする。)及び委託者保護基金(当該商品先物取引業者が会員として加入している委託者保護基金に限る。以下この条において同じ。)を受益者代理人とすること。 ハ ロの規定にかかわらず、商品先物取引業者が通知商品先物取引業者(法第三百四条に規定する通知商品先物取引業者をいう。以下同じ。)に該当することとなった場合にあっては、委託者保護基金が特に認める場合を除き、当該委託者保護基金のみを受益者代理人とすること。 ニ 信託財産の運用を次のいずれかの方法に限る金銭信託とすること。 ただし、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第六条の規定により元本の補てんの契約をした金銭信託とする場合は、この限りでない。 (1) 国債その他主務大臣の指定する有価証券の保有 (2) 主務大臣の指定する銀行その他の金融機関への預金 (3) その他主務大臣の定める方法 ホ 信託財産の元本の評価額は、当該信託の元本金額とすること。 ヘ 信託契約の解除又は一部の解除は、次に掲げる場合において、あらかじめ受益者代理人である委託者保護基金の承認を受けたときでなければ、行ってはならないものとすること。 (1) 信託財産の元本の評価額が信託必要額(当該商品先物取引業者の保全対象財産の額から他の委託者資産保全措置を講じている額を控除した額をいう。)を超過する場合に、当該超過額に相当する金額の範囲内で信託契約の解除又は一部の解除を行おうとする場合 (2) 他の委託者資産保全措置に変更するために信託契約の解除又は一部の解除を行おうとする場合 (3) 取引委託者の計算による商品市場における取引についての取引証拠金として商品取引所又は商品取引清算機関に預託するために信託契約の解除又は一部の解除を行おうとする場合 (4) 取引委託者の計算による商品市場における取引に係る商品取引所又は商品取引清算機関への取引差損金又は受渡し決済代金の支払いを行うために信託契約の解除又は一部の解除を行おうとする場合 (5) 取引委託者から預託を受けた又は取引委託者の計算に属する金銭、有価証券その他の物を当該取引委託者に支払うために信託契約の解除又は一部の解除を行おうとする場合 (6) 委託手数料の徴収その他受託に係る商品先物取引業者の取引委託者に対する権利の実行のために信託契約の解約又は一部の解除を行おうとする場合 ト 信託契約の変更は、あらかじめ受益者代理人である委託者保護基金の承認を受けたときでなければ、行ってはならないものとすること。 チ 信託契約に係る元本の受益権の行使は、商品先物取引業者が通知商品先物取引業者に該当することとなった場合その他受益者代理人である委託者保護基金が当該商品先物取引業者の有する取引委託者に対する委託者資産の返還に係る債務の円滑な弁済のために必要と判断した場合に、当該委託者保護基金がすべての取引委託者について一括して行使するものであること。 この場合において、当該信託契約は、その目的を達成したものとして終了することを妨げない。 リ イからチまでに掲げるもののほか、委託者保護基金の業務規程で定める要件 二 委託者保護基金に預託する契約を締結すること(次に掲げる要件を満たすものに限る。)。 イ 委託者保護基金に預託された財産(以下この号において「預託財産」という。)のうち有価証券の価額は、時価によるものとすること。 ロ 預託財産の払出しを行える場合は、ハに規定する場合を除き、次に掲げる場合とすること。 (1) 預託財産の評価額が預託必要額(当該商品先物取引業者の保全対象財産の額から他の委託者資産保全措置を講じている額を控除した額をいう。)を超過する場合に、当該超過額に相当する金額の範囲内で預託財産の払出しを行おうとする場合 (2) 他の委託者資産保全措置に変更するために預託財産の払出しを行おうとする場合 (3) 委託者の計算による商品市場における取引についての取引証拠金として商品取引所又は商品取引清算機関に預託するために預託財産の払出しを行おうとする場合 (4) 委託者の計算による商品市場における取引に係る商品取引所又は商品取引清算機関への取引差損金又は受渡し決済代金の支払いを行うために預託財産の払出しを行おうとする場合 (5) 委託者から預託を受けた又は委託者の計算に属する金銭、有価証券その他の物を当該委託者に支払うために預託財産の払出しを行おうとする場合 (6) 委託手数料の徴収その他受託に係る商品先物取引業者の委託者に対する権利の実行のために預託財産の払出しを行おうとする場合 ハ 商品先物取引業者が通知商品先物取引業者に該当することとなった場合その他委託者保護基金が当該商品先物取引業者の有する委託者に対する委託者資産の返還に係る債務(以下この条及び第百三十九条第一項第三号から第五号までにおいて「委託者債務」という。)の円滑な弁済のために必要と判断した場合に、当該委託者保護基金が当該商品先物取引業者に代わって行う当該商品先物取引業者の委託者債務の弁済(以下この項において「代位弁済」という。)に当該預託財産を充てることができること。 ニ ハの場合において、当該商品先物取引業者は、委託者保護基金が代位弁済に充てた後の当該預託財産の残余についてのみ払出しを行うことができること。 ホ イからニまでに掲げるもののほか、委託者保護基金の業務規程で定める要件 三 金融機関に対し、委託者債務の弁済に必要な額の全部又は一部を委託者保護基金に支払うことを委託する契約(以下この号及び第百三十九条第一項第四号において「保証委託契約」という。)を締結すること(次に掲げる要件を満たすものに限る。同号において「保証委託」という。)。 イ 次に掲げる金融機関に対して委託するものであること。 (1) 銀行 (2) 株式会社商工組合中央金庫 (3) 信用協同組合 (4) 信用金庫 (5) 農林中央金庫 (6) 業として預金又は貯金の受入れをすることができる農業協同組合及び農業協同組合連合会 (7) 信託会社(信託業法第二十一条第二項の規定に基づき、債務の保証に関する業務を行うことについて内閣総理大臣の承認を受けた者に限る。) (8) 保険会社 ロ 保証委託契約の解除又は変更は、あらかじめ委託者保護基金の承認を受けたときでなければ、行ってはならないものとすること。 ハ あらかじめ、イに掲げる金融機関が保証委託契約に基づき委託者保護基金に支払うべき額の限度額(以下この号において「支払保証限度額」という。)を定めること。 ニ 商品先物取引業者が通知商品先物取引業者に該当することとなった場合その他委託者保護基金が当該商品先物取引業者の有する委託者債務の円滑な弁済のために必要と判断した場合に、当該委託者保護基金は、保証委託契約を締結したイに掲げる金融機関に対し、支払保証限度額を限度として、当該委託者債務の弁済に必要と認められる額を当該委託者保護基金に対して支払うことを指示することができること。 ホ イからニまでに掲げるもののほか、委託者保護基金の業務規程で定める要件 四 前二号に掲げる措置のほか、委託者保護基金に対し、商品先物取引業者が有する委託者債務の全部又は一部を当該商品先物取引業者に代わって弁済することを委託する契約(以下この号及び第百三十九条第一項第五号において「代位弁済委託契約」という。)を締結すること(次に掲げる要件を満たすものに限る。同項第五号において「代位弁済委託」という。)。 イ 代位弁済委託契約の解除又は変更は、あらかじめ委託者保護基金の承認を受けたときでなければ、行ってはならないものとすること。 ロ あらかじめ、委託者保護基金が当該商品先物取引業者に代わってその委託者債務の代位弁済を行うべき額の限度額(以下この号において「代位弁済限度額」という。)を定めること。 ハ 商品先物取引業者が通知商品先物取引業者に該当することとなった場合その他委託者保護基金が当該商品先物取引業者の有する委託者債務の円滑な弁済のために必要と判断した場合に、当該委託者保護基金は、代位弁済限度額を限度として、当該商品先物取引業者に代わって当該委託者債務を弁済するものであること。 ニ イからハまでに掲げるもののほか、委託者保護基金の業務規程で定める要件
2 商品先物取引業者は、前項各号に掲げる契約を締結し、又は変更したときは、遅滞なく、契約書の写しを主務大臣に提出しなければならない。 ただし、信託契約を変更した場合にあっては、当該契約を締結した信託会社又は信託業務を営む金融機関が発行する残高証明書を添付するものとする。
3 商品先物取引業者は、第一項各号に掲げる契約を解除しようとするときは、その三十日前にその旨を主務大臣に届け出なければならない。
4 商品先物取引業者は、商品市場における取引につき、委託者から預託を受けた有価証券その他の物及び委託者の計算に属する有価証券その他の物を委託の趣旨に反して、担保として提供し、貸し付け、その他処分してはならない。 ただし、委託者の同意を得て、委託者保護基金に預託し、又は次に掲げる金融機関に担保として提供し、若しくは信託する場合は、この限りでない。 一 銀行 二 株式会社商工組合中央金庫 三 信用協同組合 四 信用金庫 五 農林中央金庫 六 業として預金又は貯金の受入れをすることができる農業協同組合及び農業協同組合連合会 七 貸金業法施行令(昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第四号に掲げる者 八 信託会社又は信託業務を営む金融機関 九 保険会社