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譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律令和七年法律第五十六号

第75条(動産譲渡担保権の実行のための保全処分)

裁判所は、動産譲渡担保権の被担保債権について不履行があった場合において、債務者、動産譲渡担保権設定者又は譲渡担保動産の占有者(債務者及び動産譲渡担保権設定者を除く。次項第二号及び第五項において同じ。)が、価格減少行為等(譲渡担保動産の価格を減少させ、又は譲渡担保動産の引渡しを困難にする行為をいう。以下この項において同じ。)をし、又はそのおそれがあるときは、動産譲渡担保権者又は処分清算譲渡を受けた第三者(以下この項及び第八十八条において「動産譲渡担保権者等」という。)の申立てにより、当該動産譲渡担保権者等が譲渡担保動産の引渡しを受けるまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、譲渡担保動産又はその容器に公示書を貼付する方法、譲渡担保動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法その他の方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下この条及び第八十八条第一項において同じ。)を命ずることができる。 ただし、当該価格減少行為等による価格の減少の程度、引渡しを困難にする程度又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。 一 当該価格減少行為等をし、又はそのおそれがある者に対し、当該価格減少行為等を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(裁判所が必要があると認める場合にあっては、保全処分及び公示保全処分。次号において同じ。) 二 次に掲げる事項を内容とする保全処分 イ 当該価格減少行為等をし、又はそのおそれがある者に対し、譲渡担保動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。 ロ 執行官に譲渡担保動産の保管をさせること。 三 次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分 イ 前号イ及びロに掲げる事項 ロ 前号イに規定する者に対し、譲渡担保動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該譲渡担保動産の使用を許すこと。 2 前項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。 一 債務者又は動産譲渡担保権設定者が譲渡担保動産を占有する場合 二 譲渡担保動産の占有者の占有の権原が前項の規定による申立てをした者に対抗することができない場合 3 裁判所は、申立人が第一項の保全処分を命ずる決定の告知を受けた日から一月以内に次の各号に掲げる事項のいずれかを証する文書又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この目及び次節において同じ。)を提出しないときは、相手方又は動産譲渡担保権設定者の申立てにより、その決定を取り消さなければならない。 一 帰属清算の通知をしたこと。 二 処分清算譲渡をしたこと。 三 次条第一項に規定する引渡命令の申立てをしたこと。 四 民事執行法第百九十条第一項に規定する動産を目的とする担保権の実行としての競売(次項及び次条において「動産競売」という。)の申立てをしたこと。 4 前項第三号又は第四号に掲げる事項を証する文書又は電磁的記録が提出された後に、その申立てが取り下げられ、又は却下された場合には、その文書又は電磁的記録を提出しなかったものとみなす。 同項第三号の引渡命令又は同項第四号の動産競売による差押えが取り消された場合も、同様とする。 5 裁判所は、譲渡担保動産の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。 6 裁判所が第一項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。 ただし、同項第二号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。 7 事情の変更があったときは、裁判所は、申立てにより、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。 8 第一項、第三項又は前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 9 前項の即時抗告(第一項の申立てについての裁判に対するものに限る。)は、執行停止の効力を有しない。 10 第三項又は第七項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。 11 第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から二週間を経過したときは、執行してはならない。 12 前項に規定する決定は、相手方に送達される前であっても、執行することができる。