譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律令和七年法律第五十六号
第103条(承認援助手続における担保権の実行手続の取消命令)
裁判所(承認援助事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)は、債権者の一般の利益に適合し、譲渡担保権者に不当な損害を及ぼすおそれがなく、かつ、承認援助手続の目的を達成するために特に必要があると認めるときは、債務者(外国管財人(承認援助法第二条第一項第七号に規定する外国管財人をいう。)がない場合に限る。)又は承認管財人(承認援助法第二条第一項第九号に規定する承認管財人をいう。)の申立てにより、担保を立てさせて、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、第六十六条第一項の規定による通知、動産特定範囲に属する動産に係る担保権の実行としての競売の手続又は第九十四条本文の規定による通知の取消しを命ずることができる。
2 前項の規定による取消しの命令は、その発令前にされた第六十条第一項に規定する帰属清算の通知、第六十一条第一項に規定する処分清算譲渡、第九十二条第一項前段の規定による取立て又は集合動産譲渡担保権設定者による動産特定範囲に属する動産の処分の効力を妨げない。
3 裁判所は、第一項の規定による取消しの命令を発した場合には、速やかに、譲渡担保権者の意見を聴かなければならない。 ただし、あらかじめ譲渡担保権者の意見を聴いたときは、この限りでない。
4 裁判所は、第一項の規定による取消しの命令を変更し、又は取り消すことができる。
5 第一項の規定による取消しの命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、譲渡担保権者に限り、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
7 第五項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書(承認援助法第十五条において準用する民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された電磁的記録であって、承認援助法第十五条において準用する民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)を当事者に送達しなければならない。
8 外国倒産処理手続の承認の決定を取り消す決定が確定したときは、第一項の規定による取消しの命令は、その効力を失う。
9 集合動産譲渡担保権設定者又は集合債権譲渡担保権設定者について外国倒産処理手続の承認の決定があった場合における承認援助法第三十一条の規定の適用については、同条第一項第一号中「又は第五十七条第二項」とあるのは「、第五十七条第二項」と、「第六十三条第一項の規定による中止の命令」とあるのは「第六十三条第一項の規定による中止の命令又は譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和七年法律第五十六号)第百三条第一項の規定による取消しの命令」とする。