譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律令和七年法律第五十六号
第99条(再生手続における担保権の実行手続の取消命令)
裁判所(再生事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債権者の一般の利益に適合し、譲渡担保権者に不当な損害を及ぼすおそれがなく、かつ、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、民事再生法第二条第二号に規定する再生債務者等(同法第七十九条第二項の規定により保全管理人が選任されている場合にあっては、当該保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第六十六条第一項の規定による通知、動産特定範囲に属する動産に係る担保権の実行としての競売の手続又は第九十四条本文の規定による通知の取消しを命ずることができる。 ただし、その譲渡担保権によって担保される債権が再生手続における共益債権又は一般優先債権(同法第百二十二条第一項に規定する一般優先債権をいう。第百七条第四項第二号において同じ。)であるときは、この限りでない。
2 前項の規定による取消しの命令は、その発令前にされた第六十条第一項(第九十三条において準用する場合を含む。第百一条第二項及び第百三条第二項において同じ。)に規定する帰属清算の通知、第六十一条第一項(第九十三条において準用する場合を含む。第百一条第二項及び第百三条第二項において同じ。)に規定する処分清算譲渡、第九十二条第一項前段の規定による取立て又は集合動産譲渡担保権設定者による動産特定範囲に属する動産の処分の効力を妨げない。
3 裁判所は、第一項の規定による取消しの命令を発した場合には、速やかに、譲渡担保権者の意見を聴かなければならない。 ただし、あらかじめ譲渡担保権者の意見を聴いたときは、この限りでない。
4 裁判所は、第一項の規定による取消しの命令を変更し、又は取り消すことができる。
5 第一項の規定による取消しの命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、譲渡担保権者に限り、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
7 第五項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その電子裁判書(民事再生法第十八条において準用する民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された電磁的記録であって、民事再生法第十八条において準用する民事訴訟法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定によりファイルに記録されたものをいう。)を当事者に送達しなければならない。
8 再生債務者が集合動産譲渡担保権設定者又は集合債権譲渡担保権設定者である場合における民事再生法第十六条の四及び第三十二条の規定の適用については、同法第十六条の四第一号中「第百九十七条第一項の規定による中止の命令」とあるのは「第百九十七条第一項の規定による中止の命令、譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律(令和七年法律第五十六号)第九十九条第一項の規定による取消しの命令」と、同法第三十二条中「又は第百九十七条第一項の規定による中止の命令」とあるのは「、第百九十七条第一項の規定による中止の命令又は譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律第九十九条第一項の規定による取消しの命令」とする。