譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律令和七年法律第五十六号
第60条(動産譲渡担保権の帰属清算方式による実行)
動産譲渡担保権の被担保債権について不履行があった後に動産譲渡担保権者が動産譲渡担保権設定者に対して次に掲げる事項の通知(以下この節において「帰属清算の通知」という。)をしたときは、当該被担保債権は、帰属清算の通知の日から二週間を経過した時又は当該動産譲渡担保権者が譲渡担保動産の引渡し(占有改定による場合を除く。以下この項及び次条第一項において同じ。)を受けた時のいずれか早い時(帰属清算の通知の後その時までの間に当該動産譲渡担保権についてその実行の手続の一時の停止を命ずる裁判又はその実行を一時禁止する裁判があった場合にあっては、その時又は当該裁判が効力を失った時のいずれか遅い時、当該動産譲渡担保権者が帰属清算の通知をする前に譲渡担保動産の引渡しを受けてその占有を継続している場合にあっては、帰属清算の通知の時。以下この款において「帰属清算時」という。)に、帰属清算時における譲渡担保動産の価額の限度において消滅する。 一 譲渡担保動産をもって被担保債権の弁済に充てること。 二 帰属清算時における譲渡担保動産の見積価額及びその算定根拠 三 帰属清算時における被担保債権の額
2 前項第二号の見積価額は、合理的な方法により算出したものでなければならない。
3 動産譲渡担保権設定者が、動産譲渡担保権当初設定者が有していた譲渡担保動産についての権利の譲渡を受けた者であるとき(動産譲渡担保権者が当該動産譲渡担保権設定者への譲渡を承諾していたときを除く。)は、動産譲渡担保権者が当該動産譲渡担保権当初設定者(当該権利について順次二以上の譲渡がされ、かつ、当該動産譲渡担保権者がそのいずれかの譲渡を承諾した場合にあっては、当該動産譲渡担保権者が承諾した直近の譲渡を受けた者)に対してした帰属清算の通知は、当該動産譲渡担保権設定者に対してしたものとみなす。
4 動産譲渡担保権者は、帰属清算時における譲渡担保動産の価額が帰属清算時における被担保債権の額を超えるときは、その差額に相当する金銭(以下この目及び第七十六条第二項において「帰属清算金」という。)を動産譲渡担保権設定者に支払わなければならない。 この場合において、当該動産譲渡担保権設定者が、動産譲渡担保権当初設定者が有していた譲渡担保動産についての権利の譲渡を受けた者であるとき(当該動産譲渡担保権者が当該動産譲渡担保権設定者への譲渡を承諾していたときを除く。)は、当該動産譲渡担保権者は、当該動産譲渡担保権当初設定者(当該権利について順次二以上の譲渡がされ、かつ、当該動産譲渡担保権者がそのいずれかの譲渡を承諾した場合にあっては、当該動産譲渡担保権者が承諾した直近の譲渡を受けた者)に対する帰属清算金の支払の債務の弁済その他の当該債務を消滅させる事由をもって当該動産譲渡担保権設定者その他の第三者に対抗することができる。
5 民法第五百三十三条の規定は、帰属清算金の支払の債務(第一項第二号の見積価額が帰属清算時における被担保債権の額を超える場合のその差額が帰属清算金の額に満たないときは、当該差額に相当する部分に限る。次項において同じ。)と譲渡担保動産の引渡しの債務の履行について準用する。
6 動産譲渡担保権設定者は、帰属清算金の支払の債務の弁済を受けるまで、譲渡担保動産を留置することができる。